入管法とは、「出入国管理及び難民認定法」の略称です。
主に以下の3点について定められた法律です。
「外国人の入国、在留、出国」
「日本人の出国、帰国」
「難民の認定」
この中で外国人雇用をお考えの企業に関係するのは
①「外国人の入国、在留、出国」の部分です。
外国人を雇用するには、「日本にいる外国人を雇用する」か「海外にいる外国人を雇用し日本に来てもらう」ことになります。
日本にいる外国人を雇用するのであれば、いまの在留資格は何なのか、在留期間はいつまでなのかを確認し、企業の業種、外国人の従業員が具体的にやる職務の内容、勤務時間などによって、在留資格の変更や更新などが必要になってきます。
海外にいる外国人を雇用し、日本に来てもらう場合には、新たに在留資格を取得することになります。
これらの手続きに、入管法の知識が必須になります。
しかし、入管法はとても難しく、弁護士や行政書士でも全くわからない人も多い分野です。
というのも、外国人の入国については、法務大臣に広い裁量が認められているからです。
つまり、ものすごく簡単に言うと、法務大臣の考え方次第で結論が変わることもあるということです。
たとえば、入管法は、「在留資格の変更」、「在留資格の更新」、「在留資格の取得」について、「相当の理由があるときに限り、許可することができる」と定めていますが、「相当の理由があるとき」がどのようなときかは定められていません(入管法第20条第3項、同法21条第3項、同法22条の2第3項)。
また、「許可することができる」のであって、「許可しなければならない」わけではありません。
その結果、外国人留学生を雇用する際、在留資格を変更しなければなりませんが、どのようなときに在留資格変更の許可が下りるのか、不明確です。
そこで、これまでの判例や行政庁の裁量の範囲、「在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン」、「入国・在留審査要領」、「通達」などの知見や経験から、外国人を雇用できるように、要件に該当する事実を主張立証していくことが重要になります。
このように、入管法に関する各手続は、非常に難しい専門的な知識が必
2019年4月改正要となるので、注意が必要です。
2019年4月に改正入管法が施行されました。
改正のメインは、「新しい在留資格の創設」です。
これにより、人材が不足している業種について、「特定技能」という新しい在留資格で外国人の受け入れが可能となりました。
一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みが整備され、より一層外国人労働者の雇用が拡大していくことが見込まれます。
改正の概要は以下です。
資料出所:入国管理局「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律の概要について」
特定技能には1号と2号という2種類の在留資格があります。
1号の方が幅広く外国人を受け入れることが予定されていますので,各企業様においてはまず1号の該当性を検討します。
特定技能1号で外国人を受け入れられる業種は、以下の14業種です。
介護,ビルクリーニング,素形材産業,産業機械製造業,電気・電子情報関連産業,
建設,造船・舶用工業,自動車整備,航空,宿泊,農業,漁業,飲食料品製造業,外食業
特定技能2号は、上記14業種のうち、「建設」、「造船・船用工業」のみが受入可能です。
新たな在留資格が創設された一方、企業に対する義務や罰則も増えています。
しかし、行政処分や刑事罰を回避しながら、外国人人材を適切に活用することができれば、今後の日本の労働力人口激減にいち早く対応し、会社の中長期的な発展が可能になります。