就業規則を改定し、外国人雇用に対応させる

外国人を雇用する前に、就業規則を外国人雇用に改定しておきましょう。

「外国人を雇用したが、就業規則はそのまま・・・」
「どこをどう変えたらいいのかわからない・・・」
「労働法令が改正されたので、古い就業規則のままで大丈夫か不安。」
「日本語の就業規則だけでいいの?」

不安に思ってらっしゃる方も多いと思います。

就業規則については、労働基準法で周知義務や周知方法について定められています。日本で働く外国人従業員にも、労働基準法が適用されますので、外国人従業員に対しても
就業規則を周知する必要があります。

具体的な改定ですが、まずはできることとして、
①就業規則の内容が労働法令を遵守した内容かチェックする。
②外国人従業員の母国語で翻訳した就業規則を準備する。
③外国人には説明会などを開催して、日本人従業員より丁寧に説明する。
が挙げられます。

労働法令違反が見つかると、外国人従業員の受け入れができなくなるリスクがありますので、まずは就業規則の内容のチェックが重要です。

就業規則の内容が法令を遵守したものであることの確認がとれたら、翻訳業者にまわします。多少費用はかかりますし、母国語での作成は法律上の義務ではありませんが、就業規則の内容をしっかり理解してもらうことで、その後のトラブルが防止でき非常に有効です。
もし、外国人従業員が就業規則を理解できていなかった場合、就業規則が周知されていなかったと争われるリスクもありますので、リスクを防ぐ上でも翻訳版を準備しておくことは大切です。

厚生労働省のウェブサイトからダウンロードできる就業規則もあります(英語、中国語、ベトナム語、ポルトガル語版)。
しかし、就業規則はあくまでその会社の実態にあったものでないとうまく機能しません。また、経営者の方が重要だと思われていることをルール化しておかないと、後々解雇や懲戒などでトラブルになる可能性もあります。
ですので、あくまで参考程度にして、会社の実態に即した内容に改定することをお勧めします。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/model/index.html  (厚生労働省 モデル就業規則について)

また、外国人従業員を常時10名以上雇用する場合には、雇用労務責任者を選任しなければなりません(「外国人労働者の雇用管理の改善等に関して事業主が適切に対処するための指針」」。

外国人従業員を多く雇用する企業様は、雇用労務責任者を誰に担当させるか、雇用労務責任者の業務内容、既存の人事課長に兼務させるか、新たに外国人労務担当の役職を作るかなど、人事制度を改めて考える必要がでてきます。

なお、就業規則を変更した場合、所轄の労働基準監督署長に届出が必要です(労働基準法第89条)。

外国人雇用に関する就業規則にお悩みの方は、外国人雇用に精通した弁護士にご相談ください。

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